サーブの時の床ドン、実は凄いんです(厨二病)

卓球技術

卓球の奥深さにはつくづく感心させられます。

サーブの時、たまに足を踏み鳴らす人がいらっしゃると思います。

あれには音でびっくりさせる、タイミングをずらす、なんて説明が散見されますけど・・・

本当は違います。

 

実際にやってみると、確かに回転が強く掛かったりする人居ますよね

あの足ドンは、とても理に適った動作なのです。

※ここから下は、私の事は厨二病とでも思って生暖かく見守って下さい・・・

恐らく床ドンは震脚から来ている

はじめに東洋の実践的な体術、拳法には、発勁という概念があります。

簡単にざっくり言ってしまえば、

発勁とは、勁(運動)を作用点までの間(胴体、肩、腕、手首)の勁道を通し、作用点(拳など)で発するという事です。

今の言葉で現すと、ムチの様なしなりを身体の奥から順番に先端に向かって伝えて行き、先端で爆発させるという事です。

これを更に力学的に解いていくと、先日記事にも書いた通り、ムチの様にしなる動作で身体を一本のムチと化し、筋力以上の力(速度)を得る事になります。

 

これを踏まえた上で、東洋の武術には震脚という動作が多く用いられます。

震脚なんて聞くと、八極拳を思い出す人もいらっしゃるかもしれませんが、まさにアレです。

震脚とは激しく地面を踏みつける床ドンの動作ですが、これは発勁による速度の向上を行った上で、引き戻す動作でもう一段加速させつつ破壊力を上乗せする複合動作なのです。

これまたざっくりと説明しますと、、、

足を踏みつける前にまず発勁(前述のムチの様な動作)により攻撃を行う拳等を加速し、
攻撃が命中する直前、若しくは同時に、激しく足を踏みつける震脚で身体に通した勁を引き戻す(急停止させる)事によって、遠心力の半径を縮める作用を引き出し加速させます。

そして激しく足を踏みつける動作にはもう一つの作用があり、地面への重さ(摩擦)を増やし、命中した事によるエネルギーの減少(押し戻される力)を少なくする効果があるのです。

つまり震脚は、発勁によるエネルギーの遠心加速と、命中時のエネルギー減少の抑制まで行われるという大変理に適った動作なわけです。

とても難解な文章になってしまって恐縮ですが・・・

 

これを卓球に持ち込んだのが、あの床ドンです。

サーブという小さなスイング、相手に読まれない様にする小さな動作では、フォアストロークで打ち込む時の様な大きな力はなかなか生み出せません。

しかし予備動作でうねりを作り出し(発勁)、更に打つ直前か同時に床ドン(震脚)を行う事で、小さなスイングでも最大の速度(力)を一瞬で発生させ、その上インパクト時の力の減少すら抑える事が出来るという恐るべき動作なのでした。

 

これらの事から床ドンは、ただ足を踏み鳴らすだけでは殆ど効果が無い事が判ります。

発勁を伴って行う事で、初めて大きな効果が表れるものだったのです。

 

さすが、中国の卓球が強いわけです。

現代では実践的では無いものが多いとはいえ、武術が一般的に浸透している訳ですから。

現代の物理法則による解釈を意識しないまでも、恐らく中国の人達はこういった概念を身体で知っているのだと思います。(妄想)

 

上手に発勁と合わせれるなら、サーブに震脚を取り入れてみると面白いかもしれません。

勿論私も功夫が足りなくて出来ませんけどね!( ́・ω・ )

・・・
厨二病 乙!

 

尚、あんまり床ドンしているとマナー違反で怒られるみたいです・・・

 

補足ですが、、、

勁には今回の様な力の発し方以外にも様々な種類がありますので、あまりその辺りには突っ込まないで下さいませ・・・

別段詳しい訳ではありませんので・・・