打ち方の違いと打球音の関係について

卓球技術,練習

これから習得しようとする打ち方や、苦手な打ち方を練習する際には、自分がどの様に打球して何が良いのか何が悪いのかを模索しながら上達していく事と思います。

その際、手に伝わってくる打球感や体勢を判断する三半規管、実際のボールの飛び方など様々に判断要素はありますが、私はよく打球音を目安の一つとしておりました。

想定している打ち方が出来ているかを確認する材料として、音も貴重な情報と感じておりましたので、私なりに分類してその種類と用法をまとめておこうと思います。

打球音の構成音について

ボールを打球するラケットを、トップシート、スポンジ、ラケットに分解すると、それぞれ特徴を持った音を個別に出している事に気が付くと思います。

これらのパーツがそれぞれ力を受けると出る音の成分は結構異なり、おおまかに以下の様になっていると思います。

トップシート:鈍い濁った低めのゴム音(低音)
スポンジ:ポンッと弾む様な音(低中音)
ラケット:カーンと高い音(高音)

実際にボールを打球するとこれらの音が混ざり合った独特の音がします。

それぞれの打ち方でラケットのどの部分がよく使われていて、どの部分があまり使われていないのかが、音の種類と混ざり具合である程度判断できるというわけです。

ではこれらの音が混ざった打球音はどの様な打球方法の時に出るものか、どの様な音があるのかを書き出してみます。

回転重視の打球音

シカッ(シュクッ):例外
シートが主に仕事をしていて、スポンジはあまり作用していない擦る様な音
薄く擦る回転をかけるループドライブや、浅く回転の多いサーブを打つ時等に発生する

ブコッ(ボコッ):低中音
主にシートとスポンジが作用しており、ラケットまではあまり届いていない鈍い曇った音
ゆるいフォア打ちや少し当て気味にかける回転のサーブ、中速くらいの打球をループドライブした時等の回転重視の打ち方をした際に発生する

バランス・トータル重視の打球音

パコン(ポコン):低中音+弱高音
シートとスポンジが多く作用しており、ラケットにも少し響いている子気味良い音
コントロール重視で抑制気味に打つ時によく出る音で、ラケットの反発力も発生している
ドライブ中打や下回転を持ち上げる食わせ気味のドライブ、中陣辺りでしっかりかけ送るカットなどの打ち方で発生する

パカーン(ポキーン):強中高音+弱低音
シートが少しとスポンジが作用しており、且つ打球は深くラバーに食い込みラケットにも衝撃が届いている高い音の混ざったよく響く音
スピードドライブや中陣以降で威力を出すドライブ、ドライブをかけたスマッシュなど、威力で攻撃する時に食い込ませつつ回転をかける打ち方で発生する

スピード重視の打球音

パチン(カキン):中音+強高音
シートはあまり働かずスポンジとラケットが主に作用している、非常に高い弾ける様な音
スポンジが割合強い力をフラット気味に受けて反発力を発揮していると高めで短い音が出る
回転をかける様な斜めの受け方ではなく、ボールをまっすぐ当てて弾くフリック等の際に発生する

パチーン(カキーン):強中高音
シートはあまり働かずスポンジとラケットが主に仕事をしている非常に高くてよく響く音
フラット気味にラケット近くにまで打球の食い込みが発生していて、ラケットの反発力を多く帯びるとより高く長い音が出る
あまり回転をかけないスマッシュなど、真正面に捉えて強打する時などに発生する

 

大体この様な分類になるかと思いますが、この擬音は私の個人的な感覚ですので、皆さんの耳に聞こえる音でご判断いただければと思います。

 

尚、余談ですが擦り当てる(はじめから斜めに振りぬく)打ち方と、当て擦る(食い込ませてかける)打ち方では若干ですが音の間隔といいますか混ざり具合が違う気がします。

擦り当てる打ち方ではラバー音とラケット音がほぼ同時に来るのに対し、当て擦る打ち方では、ラバーの球持ちの長さで音の頭と続く音の間隔が前後する(様な気がする)みたいです。

例を挙げるとすると、球持ちの良いラクザX等で擦り当てると「カーン」音がし、当て擦る打ち方をすると「パーン」音に聞こえる(様な気がする)といった感じです。

これらの打球音をどの様に活用するかについて

例えば今練習しているのがループドライブであるなら、擦る音、若しくは少し食わせた曇ったボコッとした音が出ているかどうかで、適切にボールを捉えられているかを確かめられます。

台上のストップや回転をかけたストップ等では、ポコッとした音が大きめなら少し当て過ぎだと判断でき、スポンジの反発力を上手に無効化できているかをある程度確かめらるわけです。

スピードドライブで下回転が持ち上がらない時には、打球音が高過ぎて低音が少なく、スマッシュ気味になって居るため回転が足りなくなっていないか、または逆に、高音が少な過ぎてスポンジやラケットがあまり仕事をしておらず、食い込み・スイングスピードが足りないか等が判断できるというわけです。

 

そういえば私のラバーレビューの際にも、この音を判断基準のひとつとして適切な打球ができているかどうかを判断し、シートに仕事をさせた場合やスポンジを強く使った場合などで回転がかかるかどうか、弾みがどうか等を判断している所もあります。

ラバーの特徴を捉える上でも、打球音による分析はわりと重要な要件になっているのではないでしょうか。

 

イヤーンだのバカーンだのと擬音が多くてアレな感じの記事ですが、、、(´・ω・`)

音から得られる情報はわりと多いと思いますので、打球音にも少し耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

皆様の練習の糧になれば幸いです。
ではではまた。