粘着テンション「ヤサカ 翔龍」のラバーレビュー

レビュー記事, 卓球用品

新しいラケットをやっと使って来ましたので、ラバーとラケットと、個別にレビューを書いていこうと思います。

ラケット:TSP ウォルナットウッド
フォア(黒):ヤサカ 翔龍 厚
バック(赤):スティガ マントラS 厚

この構成で試して参りました。

この翔龍は「粘着テンション」というカテゴリの製品の様で、パワーで飛ばさなくてはいけない粘着に、テンションを足してやったものという事らしいのですが、、、

なにぶん普通の粘着を触った事が無くレビューできるか不安ですけれど、感じたままに書かせて頂きます。

 

弾み・スピード

驚くほど弾む感じも無く、かといって弾まない感じもしません。

玉突きでは抑制的な弾みになっていますが、飛んでくるボールを叩くとちゃんとテンションラバーらしく弾みます。

Q3やテナジー64の様な勝手に押し出す感触は殆ど無く、弾み方の感触はGFT48に近い、パワーをかければかけるほど弾み、弱くタッチすれば勝手に飛び出さないコントロールの良さが感じられました。

飛距離に関してはGFT48よりやや飛ばない印象ですが、高弾性ラバーよりは確実に飛びます。

これがラケットによるものなのか、粘着テンションという位置によるものなのかはまだ掴めていませんが、あえて言葉で表すなら、「GFT48から粘着分だけ引いた飛び」というのがしっくり来る感じです。

具体的な距離としては、強ドライブをすれば中後陣からも十分に攻撃的なボールが飛んで行きます。

フォルティウスFTほどは弾まない事を勘案しても、ラケットがやや弾む5枚合板という事で、飛距離は十分に出ると思います。

但し、後陣も後陣、スマッシュレシーブ体勢の様な遥か後方から打ったら少々足りないかもしれません。

 

スピードに関しては申し分なく、叩けば叩くほどスピードがアップします。

ラケットからの飛び出しはGFT48とほぼ一緒か僅かに遅い感触ですが、Q3ほどボールを掴んだままで居ないため、Q3に比べると飛び出しは速いボールが出ます。

また、飛び出しの際に勝手に回転がかかる感じではありませんが、ちゃんと自分からドライブをかければ球速が衰えず、そのまま走っていくボールが打てます。

この特性が、中後陣からも攻撃できると思わせる原因だと思います。

 

なにしろ力のかけ方と飛び方の関係がGFT48と似ていると感じました

ここでちょっとスポンジを見てみます。

<ヤサカ 翔龍 厚>

これが翔龍のスポンジ。見づらいので明るさとコントラストを調整してみました。

<ミズノ GFT48 厚>

そして黄色いのがGFT48のスポンジ。

<ミズノ Q3 厚>

一番下の紫のスポンジがQ3です。

翔龍の方は黒くて見づらいのですが、、

厳密に言えばGFT48の方が丸く丁寧な気泡で、翔龍の気泡は若干粗い気もしますが、密度とパターン、押した感触がかなり似通っている感じがしました。

画像で見るかぎりQ3の方が更に気泡の粗さは粗く、翔龍はGFT48とQ3の間くらい、どちらかといえばGFT48寄りのスポンジ構造をしている様です。

打球の飛び方や感触も併せて比較してみると、翔龍というラバーはGFT48やQ3と似たスポンジに粘着性のトップシートを組み合わせたものと考えると、非常にしっくり来る印象です。

 

摩擦(引っかかり)

GFT48ほどクッという引っかかりの感触は無く、サーブでは少し長く擦る必要がありそうです。

この感触はQ3やラクザXに似ているかもしれません。

しかしスリップする様な事は殆どなく、遅れて来る引っかかりが安定したグリップを生んでいる感触です。

これらの特徴から、サーブで思いっきり回転をかけるには、割としっかり振り抜かないと半端な回転止まりになってしまう傾向がある様に思います。

ラクをして強回転をかけるには、GFT48等の様な強く鋭い引っ掛かりのあるラバーに軍配が上がると思います。

しかしこれは同時に、引っ掛け過ぎて飛ばしてしまう事があまり無いという事で、この遅れて来る引っかかりによりサーブミスが間違いなく減るだろうと思います。

 

回転量

スポンジをしっかり使ったドライブ強打の回転量は、凄いです。ほんと。

この時の回転量とスピードをトータルで見ればQ3よりも上かもしれません。

Q3が「ギュンッ、ギュンッ」という元気でパワフルな回転とスピードなのに対し、翔龍は「ビュンッ、シャッ」と切れ味良く変化するボールが生まれます。

擬音ばかりで恐縮ですが、、私の感性だとこんな感じ^^;

 

お師匠様に受けてもらいましたが、バウンド後のボールの走りが物凄いそうです。

相変わらず自分で打っているとその変化は感じずらいのですけれど、お師匠様が引き合いで押されてミスしてしまう程。

二速の伸びというのでしょうか。

取りづらさはQ3以上だそうです。

某卓球雑誌の用具担当者様が絶賛されていた、正にその通りのドライブ回転が生まれます。

試合中、一発でも良いドライブが打てればコースが悪くても得点出来てしまう、そんな攻撃力を秘めていると思います。

ウォルナットウッドとの相性が良すぎるのかもしれませんね^^;

 

スポンジを少しだけ使う中打くらいのドライブ回転も、GFT48のそれより回転量は多く感じました。

但し、この程度の食い込ませ方だと、Q3やテナジー64の自動回転機能の方が若干強い回転が生まれるかもしれません。

 

尚、サーブ時や弱打時には、遅れて来るグリップ力に未だ慣れていないせいか、GFT48の方が回転量を稼げる気がしました。

遅いボールを長く擦る打ち方がもう少し上手に出来れば、もっとちゃんとレビューできるのでしょうけれど・・・

技量が無くて本当にすみません。

 

とにかく回転量は、打ち方や食い込ませ方で随分変わる印象です。

これは、回転量の増減の幅が広いという事でもあります。

 

コントロール性

ソフトタッチでのボールへの影響は粘着っぽい(?)感触がありました。

ストップを仕掛ける時には結構顕著で、球威と回転を殺そうとソフトタッチすると、回転も反発も減るんですね。

特に回転が減る感じが新鮮でした。

このため、台上のストップ、ツッツキ、フリックが非常に安定します。

 

また、この回転を減じる感じを利用してブロックやツッツキをすれば、ナックル性のボールが簡単に返る印象です。

ナックルブロックとか言うのでしたっけ^^;

今迄いまいちピンと来ない技術でしたが、このラバーでは意図的に出せる気がします。

 

粘着力があって強グリップだから、回転の影響を受けまくるだろうという予想は見事に裏切られました。

GFT48よりも更に台上のコントロール性は高いと思います。

 

この回転が減る感じは、粘着ラバーの特徴の様ですね。

粘着する事が緩衝材の様に働いているのではと想像します。

あくまで想像ですが・・・

 

実際のところ、ラバーを触っても多少しっとり感?くらい。

ボールをひっ付けようとしてもくっ付いて来ず、粘着力はあまり感じないのですけれど( ^ω^)・・・

 

打球感

GFT48よりも若干柔らかい打球感で、手に伝わって来る打球感は別物ですが、ボールの飛び出し方、回転の掛かり方、スピードの変化は非常にGFT48に近い印象です。

この打ち出されるボールの特性が似ているおかげで、全く違和感なく扱えてビックリしました。

少し球持ちが長い気がしますが、これが翔龍の特徴なのかラケットの特徴なのかは未だ掴めておりません( ^ω^)・・・

GFT48よりもボールを掴み、Q3により近い球持ち感がありますが、Q3やテナジー64にある様なスプリングでボールを押し出す感触は感じられません。

 

弾く感触はGFT48に比べて球持ちが良い分、カーンと弾く爽快感はありませんが、弾きの球離れもそれほど遅くはなく、スマッシュでも変な回転がかかってしまう様な事も殆どありません。

スポンジが硬いためか底づき感も無く、パワーをかければかける程に威力が増す様です。

 

適度な掴み方をしてくれるので、ソフトタッチやループを打つ際に多少雑に扱っても、弾いて飛ばしてしまう様なミスが少なくなると思います。

ブコっとした回転重視の打球感を得られる範囲が広い感触で、これにより下回転を持ち上げるのもQ3に匹敵するほど容易です。

 

自分がどんなボールの捉え方をしたのかが判りやすく、わりとハッキリとしている感触でした。

 

弧線・弾道

弧線はQ3に比べると若干低く、勝手にボールを上に上げてしまう様な弧線は描きません。

中強打ではドライブもわりと直線的で、低めに入って、バウンド時に更に低く滑って加速していく様な弾道を描きます。

しかしループではしっかりと大きな弧線を描く様なボールも打てる、美味しい所取りな感じです。

浅く当てれば弧線を描き、深く当てれば直線的になっていく、当てる深さに素直に比例した弾道を描く、そんな印象を受けました。

GFT48と似ているのは打ち出される球質や飛びだけではなく、スポンジとシートのバランスの良さがボールの弧線にも現れるのだと思います。

 

感想・総評

勝手に弾み過ぎず、かける力に比例した素直な飛び方をします。

これはテンションラバーの暴れ具合を、微粘着が良い感じに丸めてマイルドにしてくれている事が影響しているかもしれません。

Q3程のスピードは出ませんが、GFT48と同等か僅かに遅い程度の、十分にノータッチで打ち抜けるスピードが出ます。

しかしこれも勝手にスピードが出るという感じではなく、振った分だけ出るといった特性です。

そして回転がバウンド後までよく持続し、バウンド後のボールの変化が大きい印象がありました。

 

勝手に回転がかかるという事が無く、何もしなければ逆に回転を減じる効果さえある事が攻撃の幅を広げている感触です。

かといって自分から回転をかけようとすればしっかりエグい回転がかけられる、回転量の変化をつけやすいとても攻撃的なラバーだと思います。

良い事づくめな気がしますが、適当にぼんやり打つとまさに「ザ・棒球」が返るという事でもあるので、常に攻める姿勢が必要な頭が疲れるラバーでもあります。

 

既に前述しておりますが、GFT48のスポンジに粘着シートを合わせた様な、操作性の高い攻撃的なラバーだと思います。

攻撃チャンスがあれば振っていく、むしろ少々無茶なタイミングでも振ってしまう(ぇ 私の様なスタイルにはかなり合っているラバーだと感じました。

 

ラケットを軽く薄くした事により懸念していた、一発で抜ける攻撃力が翔龍とウォルナットウッドにはありました。

むしろフォルティウスFTとQ3の組み合わせのドライブ強打よりも攻撃力は上かもしれません。

価格も控えめですし、バックがもう少し振れる様になったら両面翔龍にしたいくらいです^^;

 

某卓球雑誌の用具担当者様が絶賛していたのは本当でした。

ラケットとの相性も本当に良いのでしょうね。

打ち方によって手に伝わって来るインフォメーションも多く、それが打球にそのまま反映される、卓球がますます楽しくなってしまうラバーです。

 

以上、2時間程度しか使っておらず、まだまだこのラバーの潜在能力は引き出せていないとは思いますが、レビューを書かせていただきました。

粘着ラバーを触った事が無い私が書くには少々難しい内容でしたが、このラバー、噛めばもっともっと味が出て来ると思います。

初めてGFT48を使って見た時よりも更にビビっと来ました。

すんごい気に入りましたので、恐らく長く使うと思います。^^;

つたないレビューですが、参考になれば幸いです。

 

尚、マントラSについてはバック面でしか打っておらず、文章に出来るほど感触を掴んでおりません。

もう少し感想が溜まったら書きますので少々お待ち下さいませ m(_ _)m